青虫さんを毎年、アゲハ蝶になるまで育つのを見守っています。

我が家のベランダにミカンの種を蒔いたら翌年には芽が出てどんどん伸び、チカラいっぱい枝を伸ばして、育ち始めたかと思うと、豊かな葉をたたえ、重そうに揺れ始めました。ある年から、その葉をめがけて

アゲハ蝶

が美しいダンスを踊ることが多くなりました。ベランダに蝶が舞うとなんとも言えない幸せな気持ちでした。

そうこうするうちに、勝手に育ち始めた葉がみるみるうちに減ってきました。⁈………なるほど、チカラいっぱい伸びた葉には蝶のダンスの後、プレゼントが届いていました。卵は白っぽくて、ホコリのように見えて、実は育ち伸びる時を静かに待っていたのでした。卵は小さく茶色の姿に変わって、その後ミカンの葉と同じ色の濃い緑色になってきます。レオタードを着替えた、ダンサーのように、その姿は日ごとに成長して勝手に伸びるし、育つわけですね。先生方からのうるさめの小言や保護者の方からの大切ですご教育などはない中でも、とにかくゆっくり揺れながらも幹を伝って葉に向かい、ひたすら葉を食べ続けます。

あんなに豊かに揺れていたミカンの木から伸びる葉がチカラなく茎や幹だけにされてしまった頃、

カラスからの攻撃を受けたり、食べ物がうまく見つけられなかった子がやむなく成長を止めてしまうことにも遭遇して悲しくなりました。勿論、大きくなる前からカラスを恐れて虫かごに入れてやった青虫さんは、ほとんどうまく行かず、自然のままに葉っぱの上で育ち伸びるのが一番だとそのとき悟ります。これを繰り返した末にとうとう、自らをサナギという少し尖った形にした後、繭状の糸を出して幹からゆりかごのようにぶら下がります。まるで、歯の一枚です。見間違うほどです。

ある日、ベランダでまた蝶のダンスが始まります。

あっ、あのゆりかごから、蝶に変身してる‼︎

自分が育てたわけでもないのに、側で見させてもらってウキウキします。自然に育つチカラ、自然が育てたミカンの木が伸びるチカラによって、この蝶は素敵な瞬間を持ったんだなぁ〜と感慨深い気持ちになりました。

子育て、バレリーナ育てって、これと似てるなあ〜と考えてしまったからでしょうか。飴や風に吹かれながら群生するミカンの木を見つけて卵を産む親。この分量の葉があれば、この家族なら、この先生なら、きっと自分の分身である卵、子どもをきっと育ててくれると期待して。
自然に置かれた、子どもが伸びるチカラ、育つチカラを葉という先生方や親、お友達との交流を通してたくさんの食事をし、運動をし、時には枝から落ちたり、踏まれそうになったり、カラスからの攻撃もある中、社会勉強をし賢くなってどんどん洋服も着替え、とうとう

一張羅のピカピカな正装で飛び立つ様子は見事です。

そして、子孫を残しに、また我が家のベランダに舞い降りる蝶。成長した姿を見せにやって来てくれるかつての教え子であり、我が子なのでしょうね。

 

我が可愛いダンサー達、子ども達へ

手をかけ過ぎず、見守って
一緒に歩いたり、与え吸い取られ
細くなって倒れそうになる先生、親も
また自然に葉が生え元気を取り戻した頃
自慢のダンスを披露しに
沢山の賑やかな誕生を楽しませに
あなた方がやって来てくれることを
心から待っています
卵だったあの日から正装してダンスを
披露してくれた事を思い出しながら

 

Much love to see your face and smile.

 

小川バレエアカデミー フクオカ
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住所 : 福岡市中央区平尾5-8-36-201
TEL : 092-526-1541
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